3Dプリンターで末梢神経再生

神経再生 (1) 
はて、これは何でしょう?
ペンネ? マカロニ?
いえ違います。これは人工的に作った神経です。
細胞を立体的に積み上げることのできる「バイオ3Dプリンター」を使い、人間の細胞から末梢(まっしょう)神経を再生することに京都大などの研究チームが世界で初めて成功しました。
 
事故や労働災害などで末梢神経を損傷すると、手足がしびれ、動かなくなります。
今までは体の別の部分(ふくらはぎなど)から神経を採取して移植する手術が治療法の主流でしたが、当然今度は移植元の部位が麻痺するといった課題が有りました。
他にコラーゲンなどから作った人工神経を移植する方法もあるが、異物として拒絶反応が起こることもありました。
なのでこの方法を使えば患者が早く社会復帰できる治療法につながります。

神経再生 (2)
再生医療バイオベンチャー企業「サイフューズ」(東京都)が開発したバイオ3Dプリンター「レジェノバ」(約4千万円)を使用。

神経再生 (3)
ヒトの皮膚から採取した細胞を3Dプリンターで立体的に積み上げ、管状の神経組織(長さ8ミリ、直径3ミリ)を作製。
この組織を坐骨神経が損傷したラットに移植したところ、管の空洞部分をつたって神経がつながり、活動に支障がない水準に回復したという。

神経再生 (4) 
人工神経を移植したラットと2カ月後の状況を比較すると、3Dプリンターのラットの方が再生した神経の直径が太く、足をひきずる度合いも軽微だった。
2019年度に人間を対象とした治験を始め、実用化を目指します。
Posted by れいな on 06.2017   2 comments
Category :学術的日記

録音する真意

あるコラムで、
医師がムンテラする時に患者が「録音して良いですか?」と聞いてくる事があるが、認めなければならないか否か。
というテーマが有りました。
ムンテラとは、ドイツ語のMund「口」+Therapie「治療」の略語で、
要するに病状とか治療法などを口頭で説明する事です。

医師側としては、録音して「証拠」を取られているようで非常に話し辛くなる。制約がかかる。などあまり良い印象を抱きません。

しかし必ずしも証拠を取るためやクレームを入れるためや訴訟を起こす目的でその様な事をするのではない。
その様な腹で録音するのならハナから許可など求めず黙って録音するでしょう。

つまり、わざわざ録音して良いか聞いてくる人は、「1回聞いただけでは理解できないので、何度も聞き直したい」や、「説明の場に同席できない家族に同じ内容の説明を聞かせたい」などが目的であると。

ボイスレコーダー
これはその通りだろうと思いました。
特に「癌の告知」などがムンテラの代表選手なのですが、
患者はその都度返事してしっかり聞いている様に見えても、実際はお経でも聞いている様な心理状態で、説明の1割も頭に入っていない。ショック過ぎて。
ほとんどの人間はそうなるはずです。
なのでしっかり理解してもらうためには、録音して後で落ち着いてからもう一度聞くというのはむしろ双方にとってメリットが有るのではないか。とも言えるわけです。

それでもやはり録音されると前述の「キャンセルの術(クリックにて詳細)などの話術が効力を発揮できなくなりますので、
私は初対面時から「この先生は録音などしなくても十分解りやすくムンテラしてくれる」と思ってもらえる様に話す事を心掛けています。
具体的には「話す」というより「書く」事に重点を置いています。
各病気ごとに解説や治療法などをイラストなど書いて作成します。
どこかからコピーしてきた物とかではなく自ら一人一人に合わせて冊子を作ります。
それを用いて解説し、後でゆっくりともう一度熟読してもらいます。

と同時に、こっそり録音しているかもしれないという事は常に念頭に置いた上で、堂々と嘘もつきます。
「嘘も方便」です。
患者がみんな「包み隠さず真実を言ってくれ。治る見込みは万に一つも無く、およそ何ヶ月後に動けなくなり、何ヶ月後に死ぬと先生は予測しているのか。それによって私の最期の生き方を決めたいので。」という様な覚悟の決まった強い人ばかりではありません。
「癌の告知」自体は昔に比べて積極的にムンテラされる様になりました。
しかし「予後の告知」まではなかなか言えません。
正直、「もうお手上げです。この抗癌剤ですら消えてくれない癌細胞には現状打つ手がないのです。一応次にこの治療法を試してみますが、おそらく副作用に苦しむだけで来月にはベッドから起きる事もままならなくなり最後は・・・」と思っていても、そんな絶望のどん底に突き落とす様な事を吐露する事がムンテラではないのです。例えそれがまごう事なき真実であったとしても。
嘘の話をしてでも患者を元気づける。文字どおりムント(口頭による)テラピー(癒し)なのです。
とは言え、家族には別室で真実を伝えて、「その時」が来た時に人工呼吸器を用いて延命治療をするかしないかまで話を詰めておかねばなりませんけどね。

一般医療の場合はそうです。
美容外科部門の場合はむしろ立場が逆転する傾向があります。
すなわち、ムンテラする側が「録音いたします」と断ってから説明を始めます。
この場合の理由はもちろん、後から難癖をつけられる事を抑止する目的です。
一般医療はマイナス(病気)の状態をプラマイゼロ(健常)に戻す事を目的とします。
美容外科はプラマイゼロの状態からよりプラスに持っていく事を目的とします。それは「治療」ではありませんので健康保険も効きません。10割負担です。
それだけに後からクレームを入れられたりトラブルになる確率が高い。
大金を叩いたのに満足のいく状態にならなかった。当然あり得る事です。
また100%安全な医療・検査も有りません。思わぬ副作用・合併症など発生する可能性も有ります。
それに同意した上で施術を受ける。
「同意した」「説明した」ことの「明確な証拠」を医療側は取っておかねばなりません。

とは言え、これも実際に「録音します」と言われるとあまり気持ちの良いものではありません。
「え?私って後から難癖つけてくる様な患者(客)に見えるわけ?」と一瞬思います。
全員に同様に行っている事だと言われてもね。

Posted by れいな on 03.2017   0 comments
Category :学術的日記

大丈夫です

最近の若い世代が使用するおかしな日本語に「大丈夫です」というのがあると聞きました。
そう言えばちょこちょこ耳にしますし、自分自身も無意識のうちに使っている様な気がしないでもない。
本来の「大丈夫」という意味合いではなく、「No thank you」という否定的な意味合いで使います。

例えばコンビニでお弁当などを買った時、「お箸はお付けしましょうか?」と聞かれた時、「大丈夫です」と答えます。
「要りません」では刺々しい印象を与えそうなので「間に合っております。頂かなくても大丈夫ですという意味合いで柔らかく言っているつもりなのでしょうけど、やや紛らわしいですね。
「いいです」とか「結構です」も、元はと言えば同じ理由で「No thank you」の意味で使われる様になったのでしょう。
このコンビニの例だと、まだ何とかそういう意味だと理解できますが、

居酒屋などで「お通し・つきだし」が出てくる際、店員が本日のサンプルを見せながら
こういう内容のお料理を用意しておりますがいかがいたしましょう?
と、客に要るか要らないかを確認してから出すお店もあるようです。
「大丈夫ッス」と答えている人が居ました。
そのやりとりを見ていて私は
「はい。大丈夫。嫌いな食材じゃないので食べられる。頂きます。」
という意味だと解釈しました。
ところがやっぱりこれも、
「No thank you」という意味でした。せめてジェスチャーで手を左右に振って「要りません」アピールしながら言ったならまだしも、その人は言葉だけでした。
あれを見た時はさすがに、「大丈夫です」=「No thank you」を浸透させるのは無理じゃないかと感じました。

「大丈夫です」がおかしな使い方をされているという記事を最初に読んだ際の例は次の様なシーンでした。
上司が「今日みんなで飲みに行こうかと思うんだけど、君もどうだ?」と誘った。
誘われた若手社員は「あ、大丈夫です。」と答えたと。
上司は当然「Yes」という意味だと捉えて頭数に入れたのに、結果それは「No」の意味だった。
これを最初に読んだ時、
うーん。まあ上司の気持ちも解らなくもないけど、その時の若手の答え方とか顔つきとかジェスチャーとかでだいたい「No thank you」って意味だって判りそうなものじゃない?
って思いました。
実際、言葉なんてその時代時代によって変化していくものですし、「本来の使い方とは違う!間違ってる!正しい日本語を!」と逐一目くじらを立てるのは石頭の老害っぽくて好きじゃありません。
でも実際に上記の居酒屋みたいなシーンを目の当たりにして、
これはダメだわ。そういう使い方するべきじゃないし、使う人が居たら止めさせた方がいいなと思う様になりました。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11108749076
ちょっとググッてみたら、正に私が感じた事と同じ様な体験談や解説が結構ヒットしますね。
百歩譲って「いえ、大丈夫です。」なら全然違うと思うのですが、「大丈夫です」だけはさすがにNGだと思う。
どうでしょう?
こういう「Yes」か「No」か判別しにくい厄介な返答をする人にイラッとした経験のある方、普段どの様に対処してらっしゃいますか?

Posted by れいな on 12.2016   2 comments
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腫瘍マーカー

人間の身体には様々な種類の癌(悪性腫瘍)が発生しうるわけですが、いくつかの種類の癌ではそれが分泌する腫瘍マーカーなる物が同定されています。
マーカーを測定する検査は、採血するだけで手軽に測定できますので非常に有用性は高い。


肝細胞癌    :AFP(α-フェトプロテイン)、PIVKA-Ⅱ(ピブカ ツー)
膵臓癌     :CA19-9
卵巣・子宮体癌:CA125
胃・大腸癌   :CEA(カルチノ エンブリオニック アンティジェン)
肺・食道癌   :SCC(扁平上皮癌の意)
前立腺癌    :PSA(前立腺特異抗原)
悪性リンパ腫  :可溶性IL-2レセプター
などなど。

それぞれ正常範囲が設けられていて、血液検査の結果、一定の数値をオーバーしていると「異常」と判断し、そのマーカーに対応した癌を画像診断などを駆使して念入りに検索することになります。
ただ、一つ注意しておかねばならない事があります。
腫瘍マーカーは必ずしも癌の早期発見を目的とした検査ではない。という事。
「診断」に関しては、あくまでも補助的な検査でしかない。
と言うのは、癌細胞が分泌する腫瘍マーカーが血管内に漏れ出てくるという事はすなわち、もう既に結構大きくなっていてステージが進行している状態であるからです。
なので異常高値が出たら手遅れってわけではないですが、大規模な手術などになる可能性が高いです。
じゃあ何のために検査するの?
って思いますが、腫瘍マーカーを測る主な目的は、
治療の効果判定、そして再発兆候の監視目的
です。
手術はもちろん、化学療法(抗癌剤)や放射線療法の様にじわじわ効果の出る治療が本当に効いているのかどうかの目安にします。
異常高値から正常値に向かって減少していくのを期待して測定する。
そして治療が成功した後、2年(最長5年)に渡って定期的に検査して不幸にもマーカー再上昇が認められた場合には再発(ミクロレベルで癌細胞が残存していて息を吹き返した)と判断し再び本格的治療を準備しなくてはなりません。

言いたい事は、
腫瘍マーカーが正常範囲だからといって、その癌が無いと断定する事はできない。
という事です。
また逆に、PSAなどは正常範囲をオーバーしていたとしても癌ではなくただの前立腺肥大症である事も多々ありますので、
とにかく、マーカーだけをもって、
正常範囲=癌無し
異常高値=癌有り
と盲信してはならない。

という事。
やはり専門家が直接お話を聞く「問診」、直接見て(視診)、直接触れて(触診)、画像検査を施行するのに勝るものはありません。

似た様な検査に関節リウマチのリウマチ因子(ロイマトイドファクター)という物があります。
これも血液検査で測る物ですが、実際にリウマチに罹患していても陽性と出る確率は約50%ほど。
なのでやはり決め手となるほどの検査ではなく、補助的なもの。

時々、人間ドックなどで大人買いよろしくありとあらゆる腫瘍マーカーのオプション検査を追加して何十万円も費やしている人が居ますが、
「もったいない事をしてるなぁ┐(´ー`)┌」と思います。
はっきり言ってその莫大なコストに見合うリターンが有るとは思えません。
もちろんそんなの何にいくらお金を使おうが人の勝手ですし、「やめときなよ」なんて口が裂けても言えませんけどね。
医療機関側にとっては「なんとボロい商売かwww」と笑いを噛み殺すレベルの上客でしょうから。
大人買いと言えば、その更に上をいく「爆買い」が今のブーム。
実際、Chinaからの爆買いツアーの一種に健診(ドック)を受けるコースなんかも出始めました。
そりゃ日本の検査の方が遥かに質が高いでしょうからね。受けたいと思う気持ちは理解できる。
しかしながら私が経営者なり院長なりだとしたら絶対にそんなツアーお断りです。
検査してその結果を郵送するのみでフォローは一切無し。という約束であっても「ノー」ですね。
見落としが有ろうが誤診が有ろうが後からの蒸し返しには一切応じない。という確約があっても「ノー」
受け入れる医療機関は目の前の儲け話に目が眩んでチャイナリスクを甘く見過ぎだと思う。
まず検査当日でもあらゆる部門で医療従事者や他の日本人受診者との間でトラブルが発生する事が容易に想像つきます。
「脱衣」一つを取っても目に余る自分勝手な行動で周りとトラブルを起こすChinese留学生の話を昔書きましたが覚えているフレンドの方もいらっしゃる事でしょう。

話を戻します。
癌の早期発見に全く役に立たないという訳ではありません。
特に家族歴(例えば親が大腸癌になったとか)がある場合は自分もそれに罹る可能性が高くなりますので、それに特異的な腫瘍マーカーは定期検査の際に追加しておいた方が良いかも。
また、普段まったく病院なんかにかかる機会が無く、長らくドックなんて受けた事もない。って人ならメジャーな腫瘍マーカーだけでも受けておくと安心かもしれません。実際4種類くらいはドックの血液検査のセットに最初から入っている事も多いです。
稀に、「ええー\(°□°)/ こんなになるまで一回も病院かかった事なかったの?」と驚くほど巨大化した腫瘍を初診で発見されるケースも有りますのでね。

Posted by れいな on 23.2016   0 comments
Category :学術的日記

wastebasket diagnosis

ウェイストバスケットダイアグノーシス。
直訳すると「屑かご(ゴミ箱)診断」でしょうか。
要するに、ハッキリとした病名を付ける事ができず、「とりあえず」的な病名を診断する事です。
また、これだ!っていう決定的な決め手が無く、どの病名も具体的に付けられない時に、しかたなく使用する病名です。
どこのカテゴリーのフォルダにも入れられないから、ゴミ箱行き。イメージは悪いですがそんな感じかな。

例としては、
「上気道炎」とか「胃腸炎」とか「急性腹症」どがあります。
上気道と言えば鼻腔の上の方から気管支辺りまで非常に範囲が広く、何かそこら辺に感染か腫瘍か知らないけど炎症が有りますね。程度の漠然とした診断。
胃腸も文字通り胃から直腸までの範囲の中に感染か癌かはたまた自己免疫疾患か知らないけど何か異常ありますね。って感じの診断。
急性腹症に至っては、何か知らないけど急に起こった「はらいた」ですね。って診断です。
「胃潰瘍穿孔」かもしれないし「もうちょう(虫垂炎)」かもしれないし「尿管結石」かもしれないし「卵巣腫瘍の茎捻転」かもしれないし何でもOKな診断という事になります。
「わかりません」では格好がつかないし、薬を処方するにしても何某かの病名を付けなくては健康保険も効きませんからね。
でも、wastebasket diagnosisを多用する医師はあまり優秀ではない(診断能力が低い、経験が浅い、勉強が足りない)という印象です。

あとは、死亡時に付ける直接死因の病名。
よく報道などで◎◎氏が「心不全」のために永眠されました。
などと書かれている事が多いですが、それ病名じゃありません。
「多臓器不全」「呼吸不全」も同様です。
どんな病気であれ、最終的には心不全になって心停止するのは当たり前です。
昔は確かに「死亡診断書」に記載する直接死因の欄に「心不全」などと書かれる事が多かったのですが、今は「肺癌」など原疾患自体の病名を一番上に単一で記載します。
「肺炎」もwastebasket diagnosisの一種である事が多いです。
もちろん普通に強力な細菌やウイルスに感染して「肺炎」からスタートした場合はそれ以外の何物でもありません。
しかし何か免疫力が極端に低下する様な病気例えば「白血病」などがベースに存在していた場合は、感染により最終的に肺炎で命を落とすケースが多い。しかしその場合でも死因は「肺炎」ではなくあくまで「白血病」と記載します。本来はね。
ただ、それを公表したくない場合はあえて「肺炎」で茶を濁す事もあるでしょう。

他にwastebasket diagnosisに相当する病名って何が思い浮かぶでしょうか?
「風邪」なんか典型的かなと思いますがそれこそが上記の「上気道炎」の事です。

「自律神経失調症」
これだ。これこそ、wastebasket diagnosisの代表選手でしょう。
どんな病気であってもほとんど多かれ少なかれ自律神経失調は来すでしょうし、
特に鬱病などメンタル系の異常があれば100%合併します。
具体的な症状も胃腸の調子が悪いとかこの頃なんとなくダルいとか眠れないとか、その様な「不定愁訴」が主です。
まあ患者としてはハッキリと精神疾患である事を告げられるよりも衝撃が軽いので、先ずはあえてwastebasket diagnosisで茶を濁すというケースも多々あります。
何でも良いからとりあえず病名を付けてもらえた。ってだけで安心するって効果も有りますのでね。

「不明熱」
これまたストレートなwastebasket diagnosisですね。
でもまだこれは潔さが有ります。
「散々検査しましたけど正直何が原因で熱が出ているのかわかりませんでした。」というギブアップ気味の診断名です。
たいてい、対症療法しているうちにいつの間にか治っていて結局何が原因だったのか判らずじまいです。
まだまだ世の中には未発見というか名前も知らないウィルスとか病原微生物だってたくさん居るでしょうし、これは致し方ありません。

「慢性疲労症候群」
これもれっきとした疾患の名前です。
なんだよそれ。現代人ならそんなの誰でも当てはまりそうじゃん。と思いがち。
興味のある方はウィキペディアでも参照してみてください。
読んだところで、結局目安になる検査も数値も無く、他にこれと言ったどの病名にも当てはまらないという正にwastebasket diagnosisって病名だと思いますね。

Posted by れいな on 04.2015   0 comments   0 trackback
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胆管細胞癌

去る7月、任天堂の岩田社長がお亡くなりになりました。
そして先月、女優の川島なお美さんも逝去されました。
1月には柔道家の斉藤仁さんも逝去されました。
ご冥福をお祈り申し上げますm(_ _)m

奇しくもお三方とも50代半ばという若さで、しかも同じ病気でした。
その病名は胆管癌
手術に耐えられない様な高齢でもないのに、どうにか助かる道は無かったの?と思った方も多いと思います。
しかし実際この癌は他の部位の癌とは違い、予後は極めて不良です。
理由は、まず早期発見できるケースが少ない事、そして放射線治療も抗癌剤治療も効かない細胞であるためです。
そして他の一般的な癌とは違い、丸っこい塊状で存在するのではなく早期からインクの様にベターっと周囲に広がっていきリンパ節などに転移していきます。しかもそのくせ非常にカチカチで石の様に固く、薬剤が浸透していきません。
実際、斉藤仁さんの場合、最終的な死因は「癌性胸膜炎」すなわち肝臓の上の横隔膜を超えて肺の周りにまで浸潤し、肺を押しつぶされて死亡したと言う事ですから、いかに手に負えない暴れ様かということが解ります。
なので手術で取りきれる程度の早期の進行度で偶然見つかったケースでしか治癒は望めないのです。

胆管細胞癌 (4)
胆管といっても肝外に出ている総胆管みたいに太くて独立した管の部分ならまだ手術し易いです。
が、まだ合流する前の細かく枝分かれしている「肝内胆管」部分に発生するとお手上げになり易い。
本来、消化酵素である「胆汁」は肝臓の細胞が作成します。その液を肝内胆管に流し込んで最終的に一本の総胆管に合流し、胆嚢に液を貯めて、食べ物が胃から十二指腸に流れてくるとそれにブチューッとかける。
そういうシステムです。
なので上流の肝内胆管に癌が発生するとすぐに周りの肝臓組織に「浸潤」してしまうわけです。
そうなると下流の総胆管みたいにプチンと切って繋いで終わり。というわけにはいきません。

胆管細胞癌 (3)
その付近の肝臓組織や血管などをまとめてガバッと広範囲に切除する必要があります。
ガバッと。言うは簡単ですが行うは難し。

胆管細胞癌 (1)
肝臓というのは血管や胆管など「脈管」の塊の様な「実質臓器」です。
(対するは胃や腸などの「管腔臓器」ね)
スプーンでスイカをガバッとくり抜くような感じで切除したらたちまち大出血して死亡確定です。
なので細い脈管を一本一本「結紮」しながらチビチビと切除しなければならなく、それはもう気の遠くなる作業です。
でも肝細胞癌(肝癌)の治療ではその「肝切除術」という手術をやるのが一般的です。
肝細胞癌は結構きれいな球形で、被膜に覆われて存在している事が多く、その付近さえ切除すれば治癒が望めるからです。
ですが胆管細胞癌だと脈管に発生した癌ですので、その時点でその中の液を通して周囲に「浸潤」「転移」しているも同然。
だから発見時、既に肝臓全体に胆管癌細胞が散らばっていると考えられます。
じゃあいっそのこと、肝臓ごと全部切除しちゃう?
無理です。人は肝臓なしでは生きていけません。腎臓や肺臓みたいにスペアも無いですし、膵臓みたいに全摘後にホルモン注射や薬剤内服で代理可能な臓器でもないのです。
肝臓が無くなると有毒物質の解毒もできなくなり、あっという間に脳に毒が回って意識混濁して死亡します。
また人体の構成成分であるタンパク質も合成できず全身が腐って朽ち果てます。
それに肝臓から遠く離れた臓器に遠隔転移が有る場合は原発巣を切除しても既に意味は無く、いたずらに寿命を縮めるだけになります。
じゃあ臓器移植? どこに貴重な肝臓を分けてくれる人が居ますか?
仮に家族から「生体肝移植」を受けるとしても、腫瘍が確実に肝臓内だけに限局しているという条件を満たしていなければ、無理に強行しても術後の免疫抑制療法により余計に残存癌細胞が増殖してしまいます。

なので、進行した胆管癌に打つ手がないのが現状です。
罹患しない様に、また早期に発見する様に努めるしか無いわけですが、さてどうやって予防したら良いのでしょうか?
そもそも発生する原因は何なのでしょうか?
川島さんの場合、「私の血管にはワインが流れているの。」発言から、いかにも酒の飲み過ぎが原因であるかの様に報道したマスコミも有りましたが、はっきり言ってデタラメです。
酒の飲み過ぎでアルコール性肝炎になって肝硬変になって肝細胞癌になる。それは正しいですが胆管細胞癌は全く別の癌です。
これといった決定的な原因物質とか習慣とか遺伝子が同定されているわけではありません。
唯一同定されたのは、印刷業に従事する人はジクロロメタン・ジクロロプロパンという化学物質に曝露されて高確率で胆管癌を発生した。というお話だけですね。
なので、一般的には誰がなり易いとかなり難いとか予想をつけることはできません。
比較的レアな癌ではあるものの、逆に言えば誰にでも発生する可能性があるわけです。
そもそも「癌」とはなんぞや?というと、要するに自分自身の細胞が、何らかのエラーを起こして暴走し、無限に細胞分裂する様になってしまった物。他所から来た物ではなく、元々自分の細胞なので排除する事が出来ないのです。

もしも自分が胆管癌に罹患しているとしたら?
手術可能な早期ステージの状態で発見する事が最も大事になります。
自覚症状が出てからでは手遅れです。自覚症状すなわち黄疸ですが、これは下流の総胆管付近まで癌が浸潤してその内腔を塞いでしまい黄色の胆汁が血管を通して全身に逆流している状態(閉塞性黄疸)なわけです。
癌細胞混じりの胆汁が全身に逆流。
それが何を意味するかは言わずもがな。

なので助かるとしたら、まだ自覚症状が何も無いステージの時という事になります。
見つけるには?
定期的(最低、年一回)に検査を受けるのが大事でしょうね。
具体的には腹部エコーが妥当でしょうか。
「人間ドック」なら必ずメニューに入っています。一般的な定期健診の法定メニューには入っていません。
社員の健康管理に関心の高い会社ならオプションとして項目に入れている事もありますが。
定健で測る項目で異常が出るとしたらせいぜいγ-GTPがやや高いとかそんな程度かな?
でもそれだけで即「胆管癌の疑い有り」などと検査結果に書くのは飛躍し過ぎです。
肝炎ではないのでGOTやGPTで引っかかる事はありません。
胆管癌に特異な腫瘍マーカーも現在ありません。
無侵襲で手軽に実施できて、かつ得られる情報が多い検査となるとやはりエコーだと思います。

胆管細胞癌 (2)
この様に綺麗に肝内の胆管が描出されるなら正常。
胆管癌があると壁が凸凹になっていたり一部だけ膨張していたりと何らかの異常が見つかるはず。
(この画像の示してる物は本当は血管ですがイメージとして解りやすいのであえてこれを貼りました)

まだ手術で治癒が望めるステージなのであれば積極的に可及的早期に外科治療を受けるべきです。
切らずに民間療法などに頼ったりすると取り返しのつかない事態に陥ります。
本人が渋っていても家族は首に縄をつけてでも病院に連れて行く。ぐらいの覚悟でね。

最後に、分類というか名称について。
「胆管癌」と言ったり「胆管細胞癌」と言ったり統一性が無いな。と思った方は鋭い。
実は二通りの分類が有るからややこしいのです。
一つは部位による分類。言わば癌が発生した住所がどこか。って事。
それだと、上のイラストに倣って「肝内胆管癌」「中部胆管癌」「下部胆管癌」などと分類されます。
更に、肝内胆管癌に至っては「原発性肝癌」の一部に含めます。
これが頭こんがらがる原因。
原発性とは、他所から転移してきた物ではなくそこで生まれた物という事。
確かにパッと見た目では肝臓内に発生した癌ですので「肝癌」の一部とも言えましょう。
しかしながら、肝癌と言えば普通は「肝細胞癌(HCC)」の事を指します。
前述の様にかなり増殖の仕方など性格の違う癌です。
だから、住所ではなく、癌細胞の種類が何なのかによる分類のみにする方が
「肝細胞癌」か「胆管細胞癌」の二種類だけになってシンプルな気がします。
まずそのどちらなのかをハッキリさせ、次にどの部位にできているのかを書く。
それがいいのではないでしょうか。

まあ、「実は肝内胆管癌は肝細胞を暴走させる事でも作れる」などという、
これまでの常識をひっくり返す様な論文も出ているので、今後大きく分類法や治療法なども変わっていく可能性が有りますけどね。

余談。
いつかは、
「肝臓+胆嚢+膵臓+十二指腸+胃+腹部大動脈+大静脈+門脈+横隔膜+肺+胸膜」合併切除術
なんていうとんでもない手術とかも行われる時代が来るかな?
それすなわち「人工肝臓」「人工肺臓」の様な物を作りだしてそれとまるまる置換してしまうという術式なのですが、
もはやそれは内臓のほとんどが機械というサイボーグでしょうね。
それか、自分の万能細胞からあらゆる臓器の新品を作成しておいて、古くなったり癌化したら交換する。
まるで漫画の世界ですが、あながち実現不可能な話でもないと思う。理論上は。
ただし脳だけは取り替えたら「自分」じゃなくなりますので、これだけは当面どうしようもなさそう。

Posted by れいな on 16.2015   0 comments
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不必要な笑顔

キャンセル術 (6)
前回、キャンセルの術の一つの方法として「絶妙な笑顔」が効くなどと申しましたが、
笑顔が万能とは限りません。
本来笑顔など不必要な場面で不用意に使ってしまうと逆に相手を怒らせてしまう事になります。
あるいはナメられます。

一例を挙げてみましょう。
人からある相談を受けたが、その説明をしながら無意識のうちに笑顔になっていた。
「うんうん。わかるよ。確かにあれは辛いよねー。」みたいな事を言いながら。
ですが相手にとってはその顔は非常に腹の立つ物だった様で突然、
「いや、笑い事じゃねぇんだけど。」みたいな感じで半ギレされた。
決して軽く喋っていたわけではなく、あまり不安を煽っても仕方がないだろうと良かれと思ってそうしてしまうのでしょうが、先方的には「他人事だと思いやがって!」と不快に感じたのかもしれません。
相手はもっとキツく深刻な顔をして喋って欲しかった様です。
すぐにその様にモードを切り替えて真剣な顔で最初からやり直すも、予想外の展開だったので果たして苛立ちをキャンセルできるかどうかは微妙です。

穏便に済ませたい。八方美人。そんな想いが根底に有るとどうしても無意識のうちに笑顔になるのでしょうね。
本来心の中では怒っていて文句を言っているのにヘラヘラした顔で喋ってしまう。
相手が怒っているのに神妙な顔つきをせずニヤニヤしてしまう。
こういう失敗も多い事でしょう。
先生や先輩に怒られている最中に更に相手を炎上させてしまう。
決して相手をバカにしている気など全く無くて、
次からはもうしません、返す言葉もありません、全面的に私が悪うございます、
っていう白旗的な意味合いで笑顔になっているのだと分析いたしますが、
まあ逆の立場だったら誰しも「何だコイツ、何笑ってんだよ。反省の気持ち全然無いんじゃないか?」って思ってしまうかもしれませんね。

いつも愛想笑いを浮かべている。というのはコミュ障の一つの特徴にもあります。
相手がマジで怒っているマジで心配しているなど深刻な場面であるという事が読めずに場違いなリアクションを返しているのならアスペルガー気質が高い可能性もある。
が、それとも少し違う。
読めてはいるが、馬鹿の一つ覚えよろしく何でも笑顔でやり過ごそうとしてしまう感じかな。
日常のほとんどのシーンでは、憮然としているよりニコニコしている方が圧倒的にコミュニケーションが円滑に進む事が多いので良いのですが、稀にそうは問屋が卸さないケースが有るので難しい。
ちょっと油断しているとまたやってしまって、後からその時の自分に対し「なぜあそこで毅然としなかった? あそこで甘い顔をしたら全て台無しでしょ!」とほぞを噛む。というケースが多いので、「不必要な笑顔」を作ってしまわない様に常に注意する必要がある。特に予想外の展開に話が向いた時や相手にペースを持っていかれそうになる時にこそ表情を引き締めなければいけません。

Posted by れいな on 11.2015   0 comments   0 trackback
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キャンセルの術

円滑なコミュニケーションを図る上で、欠かすことのできないアビリティがあります。
それが「キャンセルの術」という技です。
多くの人から好印象を持たれるコミュニケーション上手な人や、普段から「話す」事を生業としている人は、おそらく無意識のうちにそのテクニックを使用しているんじゃないかと私は思います。
何をキャンセルするのかというと、
要するに直前に発してしまった失言など、良くない印象を相手の記憶から消去してしまうという事です。

零の軌跡-(9)
例えば、
「あ、この人、なんか不満そうな顔になってきた。後で名指しで苦情入れられたらどうしよう(´・ω・` )」
「マズい!今の発言or行為はセクハラと捉えられたかも(((°Д°;)))」
と感じる様な雲行き怪しい展開になりかけた時、
間髪入れずにその話題から別の話にすり替えてしまうという事。
ただし、相手がその別の話題の方により興味を持っている必要があります。
さもないと、「おい!誤魔化してんじゃねーよ。」とむしろ事態が悪化します。
でも成功すれば、相手は必ずそっちの方に食い付きます。そして待ってましたとばかりに自分から饒舌に話し出すものです。
で、あっという間に先ほどの話は些細な事と脳内でランクダウンしていき、ついには記憶から完全に追い出されます。
そんな子供騙しみたいな方法で本当に上手く行くのか?と半信半疑になりますが、
試しにほとぼりが冷めた後にその事を聞いてみたりすると、本当に完全に忘れていて、そんな事(一瞬ムカッとしかけた展開)が有った事すら信じてくれない。
それ程の効果が有ります。
どんな話題に食いついてくるかが判らない時は何でも良いのでとにかく、相手が「良かった~(*´∀`*)」とか「安心した~(*´∀`*)」って思う様な話にすり替えるとキャンセル効果がある。と私の経験上思います。
人の記憶なんて所詮その程度の物なのです。
見た事・聞いた事・感じた事をなんでもかんでも全て意識下に記憶していくとなれば膨大な記憶容量が必要となってしまいますので、興味の薄い物から順にメモリから自動消去されていくわけです。

hentoutai-1.jpg
脳の扁桃体と大脳新皮質の記事でも述べましたが、人はまず「不快だ」という感情が先にとりあえず扁桃体から湧き上がり、その後から何がどうして不快なのかを大脳新皮質の中で理論立てて初めて意識下に定着します。
扁桃体から気持ちが湧き上がった瞬間、まず先に表情に変化が現れます。でもまだ本人自身もなぜ不快に感じたかも理解していない段階。
その瞬間を決して見逃さず、一気に話題をすり替えてしまうのがコツです。
そのチャンスを逸してしまうと、相手はハッキリと不快である事を自己認識し、次にはその口から何某かの抗議の台詞を発することでしょう。
もちろんそうなってからでも、より相手が夢中になるであろう話のネタが有るのならキャンセル可能かもしれませんが難易度は跳ね上がります。

キャンセル術-(5)
「何だそれ。まるで詐欺みたい。」と思った方は鋭い。いかにも。振り込め詐欺など一気に相手を丸め込んで情報を引き出す手段としてもこういう技が使われています。
相手が「うん?ちょっと待った!」と疑いそうになるそばから逐一それをキャンセルしていき、頭の中を整理する時間を与えずに誘導するわけです。
そして電話を切って間もなく「しまった(>_<;)」と思っても、もう後の祭り。
新聞に出ているその手口など読んでみると、「こんなのに引っかかるなんてバカじゃないの?」と思いますが、実際自分がその当事者ならいとも簡単に騙される事でしょう。
騙された本人ですら「こんな手口にどうして私が・・・」と信じられない程に。

術を発動するタイミングを逃さないためにも、前提として、
「相手が今、不快な表情をしそうになっている」という事を瞬時に察知できなければ意味がありませんね。
だから、要するに大事な事はまず「相手をよく観察する。」という事かな。
場の空気が読めていなければキャンセルもへったくれも有りませんからね。
表情や心を読むだけでなく、歩き方や髪型や服装や持ち物まで全てに興味を持って観るという事。
自分の事でいっぱいいっぱいで周りに無関心。では上手くいきません。

キャンセル術 (1)
これは1対1の会話以外でも重要な事です。
たくさんの人の前で発表などする時、例えば意地悪い人がいちいち揚げ足を取るようにバカげた質問を投げかけてくるなどというケースはよくある事かと存じますが、
そんな時、適当に無難な回答を返すと同時に、間髪入れずにその話を折られる直前の話題に戻る事。
そうする事によって、その空気が悪くなった中間の部分を聴衆は完全に忘れる事となり、そのプレゼン全体の印象が悪化する事も回避できます。

キャンセル術 (2)
言うなれば、ドラマの盛り上がっているシーンで挟まれたCMみたいな物にしてしまうのです。
CMが終わってドラマ続きが始まったらまず間違いなくそのCMの事など頭の中から放り出されますよね。
もし懲りずに何度も繰り返す様ならその人は聴衆から冷たい視線を一斉に浴びる事になるでしょう。
いつも良いところでCMが入ってその時に出てくる顔がお馴染みのタレントだったりしたらそのタレントは何故か嫌われていくでしょう。
ただしこの場合も、その質問者のツッコミが「話の腰を折るだけのバカげた物」であり、「こいつウザッ!黙っとけや。」とみんなが煙たがっているという空気を読み取らなくてはなりません。
逆にもしもそのツッコミが他のみんなも疑問に感じていた様な大事な質問だったとしたら、「はぐらかしやがった!」と聴衆は感じる事となり、そのプレゼンの印象は一気に悪化するでしょう。

キャンセル術-(3)
別れ際に、絶妙な笑顔で相手の目を見て挨拶する。
たったそれだけでも、キャンセル効果が発揮されます。
「何となくモヤッとした気分だったけど、そんなのもうどうでもいいや。些細な事だったんだろう。」という気持ちになります。
さっきまで仏頂面で意地悪だったコペ婆さんが、孫のラスカの顔を見た途端に・・・(ドラクエ10)
なども同様の現象だと思います。
「終わり良ければ全て良し」という諺にも通じる物がありますね。
で、その「絶妙な笑顔」って具体的にどんな顔かと言うと、
要するに相手に安心感・信頼感を与える表情だと思います。
別に目鼻立ちの整った美形である必要はありません。不細工でも良いんです。要は「表情」です。「心」です。
その時に発する声のトーンや喋り方も重要です。
コンビニのバイトなどでよく見かける様な、言葉遣いは丁寧ながらも、いかにもマニュアル通りに機械的に発しているだけだなって印象のあんな心のこもっていない挨拶ではダメです。
「また来てね♡」ってケースなら満面の笑みで、「頑張れ負けるな(`・ω・´ )」ってケースなら修造さんみたいな目力の篭った笑顔で、とにかく「私は貴方の味方ですよ」っていうオーラを纏って相手の肩に見えざる手を乗せるイメージかな。
これは外国人など言葉があまり通じない相手の場合は特に重要だと感じます。

しかしながらこれらのテクニックは、ネット上など文字で書く事しかできなくて尚且つ記録が全て残ってしまう様なやりとりの場合は、後から読み直されてしまうので使用不可能です。
またボイスレコーダーなどで録音されて後から聞き直されるような会話の場合も然り。
「あれ? あの野郎、華麗にスルーしやがったな。」と、消されていたはずの記憶が復旧されてしまうからです。

キャンセル術-(4)
話を戻します。
ではどうすればキャンセルの術を会得できるのか?
しようとして一朝一夕でマスターできる様な物ではないでしょう。
実際ここまでウンウンと頷きながら読み進まれた方ならお解りと存じますが、できる人は既に自然と身に付いている技だと思います。
いつも無意識のうちにやっている話術を、改めて科学的に考察してみた。って感じかな。
なのでやはり、場数を踏んで徐々に身につけるしかないだろうと言うのが結論です。
「話す」という事は人間社会で生きていく上で最も重要な要素ですから、これを回避しようとせず積極的に誰にでも接する事。
ごく当たり前の事ですが。
何度も苦い経験を積む事によって徐々に上達する物です。失敗は成功の元。
ただし、失敗に終わった時に何がどうマズかったのかを考察する謙虚さは必要です。
つづく・・・
Posted by れいな on 07.2015   0 comments   0 trackback
Category :学術的日記

テーラーメイド医療

前回、糖尿病について少し触れましたが、
「甘い物ばっかり食べていると糖尿病になる」などと信じてらっしゃる方は居ませんか?
結論から言うと、それは間違いです。
甘かろうが辛かろうが関係なく、要するにカロリーオーバーを毎日繰り返していると発症し易くなるという事ですので。
ただ、甘い食べ物は概ね高カロリーである事が多いというだけです。

更に言えば・・・
ここからが本題なわけですが、
食べまくってぶくぶく太れば誰でも糖尿病になるのかというと、これも否です。
なる人はなる。ならない人はならないのです。

注)厳密には云々とか、細かい事を付け加えると本質を見失いますので、解りやすくするため敢えて極端な表現を使います。

DNA (4)
糖尿病(大人がなる一般的な2型の方)になるか、ならないか。
それは生まれつき決まっています。
そう。遺伝です。
両親のどちらか、あるいは近しい親族に糖尿病患者が存在すれば、なる可能性は極めて高くなります。
暴飲暴食しない様にいつも注意して体重コントロールしていても発症するかもしれない。
いや、多分なります。遅かれ早かれ治療を始めなければならない日が来る。
そう覚悟しておいた方が良いです。

で、逆に親・きょうだい・祖父母など血の繋がった親族に誰も糖尿病を持っている人が居ない。って人は、まず発症する事は有りません。
好きなだけ食べたい物を食べて飲みたい物を飲んで太っても、発症しません。
朝ご飯はチョコのお菓子、昼ご飯はケーキ、晩ご飯はアイスクリーム。であっても糖尿などどこ吹く風です。

酒に強い人は初めから強い。弱い人は初めから弱い。生まれつきアセトアルデヒドの分解酵素の量や質が人それぞれ違う。
マリオカートが上手い人は最初から上手い。下手な人は何年練習しても9999VRには届かない。
それと同じです(何

脳梗塞  
これは糖尿病に限った話ではなく、多くの疾病についても同じ事が言えます。
ですので問診における「家族歴」という項目は極めて重要なのです。
例えば、AさんBさんの二人が、
血圧が高い、糖が下りている、コレステロールが異常値など、同程度の異常所見が出たとする。
Aさんは家族歴に誰も脳卒中・心筋梗塞になった人が居ない。となれば、「今回はまあ、たまたま引っかかったけど、さほど気にすることはないよ。」となります。
が、Bさんは父親も祖父も脳卒中の経歴あり。となれば話は180度変わり、「今日からでも投薬治療を開始し、基準値をオーバーしない様にコントロールすべきである。しなければ確実に親と同じイベントが訪れるよ。」と指導する必要があります。

DNA (6)  
すなわち十把一からげではないという事です。
一人一人が持つ遺伝的な、病気になる「素質」が有るか無いかを加味して治療法を考えなくてはならない。
それをテーラーメイド医療と言います。
洋服や靴を、既定サイズではなくオーダーメイドであつらえてもらう。それと同様の概念です。
 
DNA (5)
具体的には、誕生すると同時に血液等から全遺伝情報を解析し、それをチップにデータ保存し、医療機関を受診する際、常にそれを提出して、検査結果とミックスして、要治療かどうかを個別に判断したり、その人に最も相性の良い治療法・薬剤を探る。
そんなイメージです。
この概念自体はもう20年ぐらい前から確立しており、それがベストであるという事も周知の事実です。

巨塔
約10年前のドラマ「白い巨塔(唐沢版)」の第17話の中でもそれを取り入れた高度がんセンターを建築していましたね。
ですが現実には一向に導入が進んでおりません。
もちろん費用とか機器とかその様な物理的な壁も有るのですが、一番の問題は、

A「この値だったけど、様子見で良いってさ。」
B「え? 私も同じ値だけど要治療って言われたよ。」
AB「同じ所見なのに、どういう事よ!」
こういう問題です。

本来それは当たり前の事なのです。
人間は生まれながらにして決して「平等ではない」からです。
好きなだけ食べても太らない人も居れば、毎日毎日カロリーや栄養などに気を遣っていてもすぐ太ってしまう人も居る。
Aさんの正常範囲は170以下だけどBさんの正常範囲は130以下である。
薬剤感受性だって人によって様々で、同じ体格であったとしても既定の投与量では一方では効果が無く一方では効き過ぎる。
当然支払う年間医療費にも大きく差が出る。
それが現実なのです。
でも人はそういう不公平感をすごく嫌います。
あの人は良くて、何で私はダメなのよ!って思います。
また医療側も、AさんとBさんになぜ一方では経過観察で良くて一方では要治療なのかを説明し納得させるのも大変な事ですし、個人情報保護の問題なども絡んできます。

なので、ある程度は十把一からげの基準やガイドラインやマニュアル等を制定しなければ医療が立ち行きません。
その辺りが、遅々としてシステムが確立しない理由だと思います。

DNA (3)
人によっては、
「そうか。じゃあいくら食事とか健康に気を遣って我慢したって無駄じゃないの。どうせ否応無く発症するんだからさ。」
この様に自分勝手に曲解してしまう人も出てくるでしょう。
いや、極論を言えばその通りなのですが。
だから諦めろというのではありません。
医療の力によってその不幸な運命を捻じ曲げる事は可能なのです。

DNA (1)
「なんで私だけここまで厳格に投薬コントロールしなきゃならないの?」「私が何したって言うのよ。どうして私だけが次々とこんな目に遭わなくちゃならないのよ!」って思うかもしれませんが、
「私は私。他の人とは違うんだ。普通の人は食べ物とか運動とか気をつけることによってコントロール可能でしょうけど、私の場合はそんなの焼け石に水。生まれつき病気になり易いハンディキャップを持っているから、自分専用の治療・予防を早期からやる必要があるんだ。」
と開き直りましょう。

DNA (7)  
この様に、「人は決して平等に生まれるわけじゃない」って現実を受け止めるというのは時に酷な事ではあります。
しかしそこから目を背け自分に合いもしない薬剤を延々と飲まされたり、手ぬるい対策で手遅れになったりしては結局不幸なだけです。
ですので、個々の医師のウデや施設の水準によって最適な医療を受けられる受けられないが決まってしまうのではなく、いつでもどこでも誰でもそれを享受できるテーラーメイド医療のシステム構築こそ、これからの臨床の場に必要不可欠な物だと私は思います。

Posted by れいな on 13.2015   0 comments   0 trackback
Category :学術的日記

【DQ10】アスペルガーとドラクエX

アスペルガーの人はテレビゲームを好む。

広場1
DQ10に限らず、延々と「日課」の様な事を続けるタイプのゲームって特にアスペルガーの人が居る率が多そうな気がしませんか?
実際、それを意識して公式サイトの広場を眺めていると本当にそうだと確信できます。
特にクレーマー・モンスタープレイヤーと思われているおなじみの投稿者って何人か居るのですが、
なぜ彼らがその様な忌み嫌われる存在に成ってしまうのか、理由の一端をアスペルガーの特性に垣間見る事ができます。
一つ例を挙げてみます。
広場をよくチェックしている方なら見覚えがある投稿かもしれませんね。

ドラりん氏の削除基準が分からないです
テーマ:冒険者の広場について
提案広場の管理人かバイトか知らないけど、ドラりん氏の削除基準がよく分からないので質問および提案をさせて頂きたいです 本キャラで提案していた頃から、この人にはよく提案を削除されてたもんですが、削除理由の主旨がイマイチ理解に苦しむ事が多々あるのです スマイルドラゴンのアイコン付きで「提案をしていただく為の場です」といった定型文の決まり文句を理由に非表示化される仕打ちを何度も経験してきました 前回の私の提案は『2.2から登場する新転生モンスターに新素材を追加してほしい』といった普通の提案をしたのに、それすらも削除されてしまったのです 提案として、定型文のマニュアル仕事ではなく、提案を非表示化する際は明確な理由(文章の中のどの部分が削除対象の理由にしたのか)を記載するようにしてください そしたらこちらとしても多少は納得できるので…よろしくお願いします

最初これ投稿者の名前を見ずに読んでいて、
まさに、アスペルガーの典型例だなーと思いました。
で、投稿者の名前を見て・・・
なるほどね(*´Д`)=з と合点がいきました。
以前からずっとこの調子で、「どいつもこいつも話にならん!私こそがアストルティアの生徒会長だ。世直しする!」の様な事を声高に唱え、出入り禁止となり今度は別のアカウントからもしつこく繰り返している。という状況ですね。
アカウントは2つに留まりません。少なくとも4つ、あるいはもっと所持しているんじゃないでしょうか?

話を戻しましょう。
額面通りにしか受け取れない。
言外の意味を汲み取ることは全く不可能。
一例があったらこういうのもこういうのも常識的に考えればダメだよねって普通は解るけど解らない。
よく目にするのは、
「どのフレーズが規約に引っかかったのか!」
とアラ探しに必死になっている人。
いや違うでしょ。そんな一言一句がどうこうではなくて、ほとんど同じ内容の投稿を何度も何度も繰り返しているからでしょうが。1本1本の樹ばかり見て森全体を見る事ができない。
「全く間違った事を言ってないのに!」
いや違うでしょ。確かに書いてある内容自体はその通りかもしれないけど、明らかに相手(運営)をバカにした様な挑発的で慇懃無礼なその物言いが不快極まりないわけよ。そういうのも全て「不適切な内容」になるのよ。
で、挙げ句の果てに、「消されたのは痛い所を突いてやったからだろ!図星だからだろ!クソ運営が!バイトごときが消しやがって!」
と更なる悪循環に陥っていく。
「◎◎問題」などと一人で勝手に決めつけて一人で盛り上がって問題を一人で山積みにして毎日激おこ。
全て、その人の規約違反と勝手な妄想から始まった不信スパイラルなのにね。

再度話を戻します。
その都度、具体的な指示などがない限り、自分で臨機応変に、応用を利かせる、など全く不可能。
それってただ幼稚なだけじゃない? つーかタダのバカじゃん。
と普通は思うよね。
しかし悲しいかなそういう種族なんです。生まれつき。
この本人が嘆願している通りなんです。
逐一、具体的に解説・指示がない限り、解らないのです。
でも、実際問題、そんな1人のためにそこまで時間を割ける指導役なんてそうそう居ません。

もし自分が運営側の人間(そのドラりんとやら)だったらと想像して、
そんな一つ一つにいちいち削除理由なんて書く時間がどこにあるのか?
実際大変すぎて無理だろうなー(´・ω・`)
って、相手の身になって物を考えてみる
こんな言い方されたらムカッと来るかな?
とか。
全く想像できない。考えようとする気もサラサラ無い。思いつきもしない。
ただただ自己主張を一方的にまくし立てるだけ。
双方向の会話が成り立たない。
注意しても断固受け付けないか、その場1回きり。
次回に応用することは無い。

さてどうしたもんでしょうかねー。
本人がアスペルガーだと気づくまで、些細なことでの言い争い・すれ違いが、延々と、続くことでしょう。
しかも「相手を困らせてやろう」って悪意みたいな物は実際本人にも全く無い可能性が高い。
そこが、ワザとやっている釣り投稿者や構ってちゃんなどの確信犯とは根本的に違い、余計に厄介なところですね。
世間ではそういう人は「真性きちがい」などと評価されてしまいます。
欧米人「Japaneseはoctopusなんかを食べるのか\(゜□゜)/ Oh,Crazy!!!」
日本人「何がキチガイなもんか! 旨いじゃないの!」
と意見が相入れないのと似た様なものですね。
相手の事情も考慮してみる。って事が少しでもできれば良いんですけどね(´・ω・` )

普通なら飽きるだろうと思われる様な事を延々と続けられる。
変化に富んだ活動よりも、むしろ毎日毎日全く同じパターンを繰り返す事を好む。
不測の事態に臨機応変に対応できない。
アスペルガーの特徴ですが、バージョンアップとかエイプリルフールなんかのイベント直後に広場が「毎回」荒れるのも合点がいきます。
彼らにとっては、ずっと同じパターンで、同じ様なサポを雇い、同じ様な職構成で、同じ様な敵を倒し、同じ金策を繰り返す「日課」が性に合っているのですから。
それがバージョンアップやイベントでガラリと変更されたり、新しい要素が加わったり、邪魔が入ったりしたらひどく戸惑い、ひどく怒る。癇癪を起こす。
柔軟にパターンを変えたり、構成を練り直したり、自分で工夫するといったことができません。
バージョンアップ後にマタメンテが頻繁に発動する事など、もはやお馴染みで解っているはずなのに、毎回、それにより自分の計画を邪魔されると癇癪を起こし、広場に重複投稿という規約違反も厭わずに暴言を吐く。
普通の感覚なら、どんな風に変化するのか、どんな新しい要素が加わるのか、またどれくらい不具合が頻発するのかすら楽しみにして迎える事ができるのにです。
藤澤Dがバージョン1の終盤でおっしゃっていた言葉があります。
これからはたくさんのコンテンツが増えますので、今までの様に全てを「日課」の様にこなすという事は難しくなり、自分で、やるべき事を取捨選択して遊ぶスタイルになります。
これはアスペルガーの人にとっては極めて難しい事です。
自分で計画を立てる。という事が苦手です。
全体を見て、バランス良く組み立てる。なんて事が超苦手です。

しかしながら評価に値する事だって有ります。例えば、
バージョン1.0のうちに全職カンストする。ピンクモーモンだけで5万匹も討伐している。
そんな事、普通の人なら到底イヤになって完遂できません。でも彼らは黙々とできる。
それはある意味、貴重な才能とも言えると思います。
そういう才能を存分に発揮できる職場などが見つかれば幸せでしょうね。


何度も言いますが、
まとめますと、まず、
アスペルガーというのは、病気ではありません。
心の病気などのいわゆる精神疾患でもありません。
言わば生まれ持った性質・性格です。ただの。
なので障碍と言うのも間違いです。
「異常」だと診断する事も傲慢な行為です。それは、男性脳が女性脳を異常と断じる。キリスト教がイスラム教を異常と断じる。それと同様の行為に値しますので。
当然、治療なんて概念も無意味となります。
とは言え、アスペルガー気質が強い人というのは少数ですから当然大多数一般人から見れば「異常者・変わり者・非常識」に映ってしまうのは仕方がありません。
少数派の彼らのために合わせる。なんてことは到底不可能ですし、そんな事をすれば今度は大多数一般人の方からクレームが殺到するでしょう。
ですので、こういう気質・特徴が存在するのだということをまずは理解・自覚し、
次に、大多数一般人的な物の考え方という物を理解し自ら身につけていく(本音は抑えて、一般人を演じる感じ)ことが肝要です。
普通の人は特に努力も無しにそれが自然と身につくのですけどね。
それを自然とではなく、能動的に頭で考えながら身についているフリをするってのは相当なエネルギーを要しますが、その「譲歩」によりこの世の中で円滑にコミュニケーションが取れる様になるのですから少しずつでもいいので努力する価値は十二分にあると信じます。
Posted by れいな on 21.2014   1 comments   0 trackback
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